・事情
相談者が勤務していた会社は残業が恒常化しており,もともと残業代が払われない時間帯がありました。退職する数ヶ月前からはタイムカードを実際より早く押すように指導されておられました。深夜帰宅後,すぐまた早朝に出社しなければならない日もあり,相談者は、これまで20年に及ぶ不平不満があるためご依頼になられました。
受任後に確認したところ、労働時間を立証するものは,実際より早くタイムカードを打刻するよう指導された後の数ヶ月間、相談者がメモしていた帰宅時間のみだったため、タイムカード等その他の資料を、勤務先に請求する必要がありました。
・経過と結論
勤務先からタイムカード等の労働時間を証するものが開示されるとともに、和解提案がありました。
勤務先からの提案=70万円
勤務先の主張・・・タイムカード打刻後にも就労していない時間があった。休憩時間を1時間とっていた。
弁護士が、以下の事情を踏まえて交渉した結果、
・退勤前にタイムカードを早くに打刻しろとの指示があったこと。
・休憩時間は実質40分だったこと。
・相談者妻のメモによる裏付け(当事者ではないので、調停の場でほのめかす程度にとどめ、勤務先会社に圧力をかけた。)
約2倍となる135万円を獲得!
・今回の解決事例のポイント
悪辣な労働環境で勤務している方が、退職後に未払残業代を請求する事案が増えております。本件は、まさにその代表的な案件でした。
本件では、相談者が在職中に、退勤時間を記録しておくといった工夫をされていたため、未払い残業代の計算もスムーズにできました。やはり、自分の権利を守るという意味では、労働時間に見合った報酬がもらえているのか、就業規則や勤務先の暗黙のルールが合法なのか、一度疑ってみることも必要かと思います。
労働者の中には、退職後にまで勤務先ともめたくない・・・と言って泣き寝入りをされる方もいらっしゃいますが、代理人を立てて労働審判を起こせば、交渉は弁護士が行います。勤務先の方と顔を合わせることもなく、打合せを代理人の弁護士としていただくだけなので、ご安心ください。
本件の依頼者またそのご家族も、解決後にはほっと笑顔を見せられておりました。過去の憤りや頑張っているのに報われないといった悲しさまで、この和解によって精算されたのだろうなと思います。笑顔のまま、次の仕事あるいは今後の人生に進んで行っていただければ何よりです。
勇気を持ってご相談にいただければ、未払残業代の請求ができる場合もあります。ご相談のご予約をお待ちしております。
※未払残業代の請求は、基本的に2年間で時効になります。早期のご相談をお勧めいたします。
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