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NO.69

女性(93歳)

相談内容:遺産調査 遺言作成

・事情

 相談者は93才の女性で,配偶者も子もおらず,弟様とその息子様(甥)に面倒をみてもらいながら老人ホームで生活されていました。 そこで,今まで面倒をみてもらった弟様に全ての財産を相続させたいということで,弟様の息子様を介して遺言作成のご依頼をいただきました。

・経過と結論

  相談者は,自分が高齢で軽度の認知症の診断をされたことがあるなどの理由から,後で遺言の有効性(遺言能力の有無)を相続人に争われるのではないか,を心配しておりました。

 遺言能力とは,「誰に何を相続させるのか」を理解していることをいい,遺言時の精神上の障害の程度,遺言内容の複雑性,動機・経緯等を勘案して判断されます。

 そのため,認知症であっても,認知症の程度や遺言内容の複雑さ,動機などからみて遺言能力が肯定される場合もあります。

 そこで施設に赴いて本人と話したところ,問題なく会話をすることができ,動機も明確で,精神テストの結果もそこまで悪くなかったことなどから,少なくとも,弟様に全部の財産を相続させることについては理解していると判断しました。

 そこで,相続人を退席させた状態で,弁護士だけで遺言内容に関する聞き取りをし,その様子をビデオで録画しました。その他にも医師の意見書の作成も試みるなど,遺言能力があることを証拠化し,その上で公証人を施設に呼んで公正証書遺言を作成しました。

・今回の解決事例のポイント

 公正証書遺言は,それだけで遺言能力を担保してくれるものではないため,遺言時に遺言能力があったことを証拠化することが重要です。

 今回は,遺言者が軽度の認知症の診断を受けたことがあるという事情がありましたが,遺言内容が単純であったために遺言能力が認められると考えました。そこで,遺言内容を簡素化すること,遺言作成の様子を録画するなどの工夫をしました。

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